2020年12月6日日曜日

2020年12月6日(ヨハネの黙示録6)

ヨハネの黙示録6
小羊が第三の封印を解いたとき、私は、第三の生き物が「行け」と言うのを聞いた。そして見ていると、黒い馬が現れた。それに乗っている者は、手に秤を持っていた。私は、四つの生き物の間から出る声のようなものを聞いた。「小麦一コイニクスを一デナリオン、大麦三コイニクスを一デナリオンとする。オリーブ油とぶどう酒をそこなってはならない。」

小羊が七つの封印を解き、それによってヨハネが見た幻の内の最初の六つがここに書かれています。冒頭の言葉は第三の封印が解かれたことによって明らかになった事柄です。
黒い馬が秤を持っており、その馬を見たとき、「小麦一コイニクスを一デナリオン、大麦三コイニクスを一デナリオンとする。オリーブ油とぶどう酒をそこなってはならない」という声が響いた、と言っています。聖書の巻末に度量衡が載っていますが、一コイニクスというのは約1.1リットルだそうです。これは、一日分の食料を作るために必要な分量、ということだそうです。そして一デナリオンの方はお金の単位で、労働者一人の一日分の賃金に相当します。そうとすると、労働者が一日働いて、ギリギリ一日分の食料を調達することができる、ということになります。エンゲル係数が100パーセントです。エンゲル係数が高ければ高いほど生活に余裕がないということになりますから、殆ど生活するだけでやっとという状態、そこまで食料が高騰しているということになります。家族が多ければ小麦を買えず、大麦でしのぐしかありません。インフレが起き、極めて貧しくなっている。
第二の封印から出てきた幻は、どうやら戦争を象徴している。第四の封印は死です。疫病のようなものかもしれません。そうするとこの第三の封印によって明らかになったのは、経済的な困窮です。働いても働いても生きていくだけで精一杯。いつだって元気に働けるわけではありません。戦争のようなことが起きたり、疫病で動けなくなったりすれば、たちまち、今日食うものもなくなってしまう。そういう経済的な困窮によって人が死んでいく。ヨハネがここで見た幻は、そういう私たちの社会の現実を映し出しているのだと思います。
そういうことが、ここで戦争や疫病と一緒に現れているといことは、やはり、聖書が経済格差によって人の命が軽んじられている社会の有り様は間違っている、悪だと見ているということに他ならないということではないでしょうか。聖書は、私たちの社会が当たり前だと思っていることに、問いを投げかけてきます。私たちは、どう答えるのでしょうか。

2024年4月20日の聖句

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