2021年8月19日木曜日

2021年8月19日(雅歌6)

雅歌6
私の恋人よ
あなたはティルツァのように美しい。
エルサレムのように愛らしい。
そして軍旗のように恐ろしい。
私の心を乱すその目を私からそらしてください。(4~5節)

熱烈な恋の歌です。今から2000年以上、もしかしたら3000年近く前の人たちの恋心をこのようなかたちで知ることができるというのは、不思議な気持ちになります。源氏物語よりも、万葉集よりももっともっと昔の時代です。この激しい恋の歌が聖書の一部となり、神さまへの愛の歌として読まれてきたというのは、本当に不思議な神さまの導きです。
さて、ここでは不思議な言い方をしています。恋人に向かって「あなたはティルツァのように美しい」と言います。ティルツァというのはカナンの町の一つで、その美しさと、イスラエルの王たちの宮殿のあったところとして知られているそうです。麗しの町ティルツァのようにあなたは美しい。また、ティルツァという言葉には「美しい」とか「愛嬌のある」という意味もある。二つの意味を掛け合わせているのかも知れません。そしてもう一つの都市名、エルサレムもまた愛され、その美しさをたたえられた都です。恋人の美しさや愛らしさをたたえる言葉としては、よく分かります。
ところがその先が、少しびっくりしてしまいます。「軍旗のように恐ろしい」と言うのです。この「軍旗」のところに聖書協会共同訳は訳注を付けていて、「旗を掲げた軍勢」と訳すことも可能だと指摘しています。そうだとすると、軍旗どころかその旗を掲げている軍勢そのものだということで、旗よりももっと恐ろしいものだということになります。愛する人が自分の心を支配するその力は、軍旗を掲げた軍勢よりも激しい、ということなのでしょう。さらに「私の心を乱す」という言葉には、攻撃するという意味もあります。ここを攻撃され、乱されてしまう。心を奪われてしまう。それほど激しく恋をしている、ということなのでしょう。このような激しい恋心も神さまが私たちに与えてくださったプレゼントですし、また、激しい恋心もキリストを知る手がかりになり得るのです。私たちの心も、神さまが造ってくださったものに他なりません。

2024年4月29日の聖句

主は正しい。私は主の口に逆らった。(哀歌1:18) ある人に息子が二人いたが、彼は兄のところへ行き、「子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい」と言った。兄は「いやです」と答えたが、後で考え直して出かけた。(マタイ21:28~29) 今日の新約の御言葉は、主イエスの譬え話です。二人...