2020年3月11日水曜日

2020年3月11日(ヘブライ人への手紙10:19〜39)

ヘブライ人への手紙10:19~39;
「あなたがたは、光に照らされた後、苦しい試練に何度も耐えた初めの頃を、思い出してください。そしられ、苦しめられて、見せ物にされたこともあれば、このような目に遭った人たちの仲間となったこともありました。実際、自分たちがもっと優れた、いつまでも残る財産を持っていると知っているので、捕らえられた人たちと苦しみを共にし、財産が奪われても、喜んで耐え忍んだのです。ですから、自分の確信を捨ててはいけません。この確信には、大きな報いがあります。神の御心を行って約束のものを受けるためには、忍耐が必要なのです。」
ヘブライ人への手紙は、迫害に苦しむ教会に向けて書かれたたてがみです。以前も書きましたが、キリスト教会への迫害が厳しくなったローマの教会に向けられた手紙ではないか、という推測があります。しかしキリスト教会への迫害は2000年間の歴史の中で何度となく繰り返されました。私たちは今のところ教会に行ったからといって命を取られたり、村八分になったりすることはありません。しかし、それでも小さな葛藤の中で礼拝生活を選び取っている人は少なくないと思います。この手紙の著者は、そんな私たちを励ますためにこの手紙をしたためました。そして、この手紙が語る励ましが一体どこにあるのかといえば、それは「自分たちがもっと優れた、いつまでも残る財産を持っていると知っている」ことだと言います。福音書に記された主イエスの言葉で言えば、神の国の福音を聞いているという事実です。
この手紙は、神様が約束してくださっている将来から、現在のこの時を捉え直すように私たちを促します。今は、苦しみも恥じもある。どうしたら忍耐しうるのか。それに対して、神が与えてくださる宝を見つめよう、と言うのです。
イエスはご自分が血と肉を持つ一人の人間になられました。「イエスは垂れ幕、つまり、ご自分の肉を通って、新しい生ける道を私たちのために開いてくださったのです。」イエスの肉体が、私たちのための神の国への道になりました。私たちをご自分のきょうだいと呼んではばからない方が、私たちを神のもとへ連れ出してくださいます。だから、希望を持って、信仰を捨てることなく忍耐しようと訴えるのです。
今日は3月11日です。あの日被災した人たち、彼の地に愛する者がいる人たち、さまざまな形でこの9年間気にかけ続けた人たちにとって、どんなに忍耐が必要な日々であったことでしょうか。私たちキリスト者の忍耐の源泉は、イエスが私たちと同じ肉体を持っていてくださること、そして、神がイエスの肉体という通路を通して私たちを導いてくださる天の国への希望です。今日生きるための慰めと望みが、あなたにありますように。

2024年4月25日の聖句

救いは主のもの。 あなたの民の上に祝福を。(詩編3:9) イエスは手を上げて彼らを祝福された。(ルカ24:50) 主イエス・キリストは復活して40日間弟子たちと共におられ、その後、天に昇って行かれました。その時、主イエスは手を上げて弟子たちを祝福し、その恰好のままで天に上げられて...