2021年8月11日水曜日

2021年8月11日(コヘレトの言葉11:7〜12:2)

コヘレトの言葉11:7〜12:2
若き日に、あなたの造り主を心に刻め。
災いの日々がやって来て
「私には喜びがない」と言うよわいに
  近づかないうちに。(12:1)

コヘレトの言葉もいよいよクライマックスが近づいてきました。12:1はコヘレトの中でも特に愛されている言葉であるのではないかと思います。私は最初口語訳聖書でこの言葉を覚えました。「あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ。」今回11:7から連続した箇所としてここを読んだときに気付いたのは、若い日だけではなく人生のさまざまな日々に対する大いなる肯定の言葉の中に、この言葉があるのだ、ということでした。
7節の「光は快く、太陽を見るのは目に心地よい」というのは、まさに人生への大いなる「然り」だと思います。太陽の下で行われていることをつぶさに見てきたコヘレトです。不条理や不正が横行している有り様も見つめてきました。私たちの人生には労苦が多い。しかし太陽の下に生きる私たちが太陽の光を浴び、その光の中に生きることは快く、すばらしい喜びがあるのだ、と言います。しかも、その喜びは若者だけが謳歌できるものではありません。
「人が多くの年月を生きるなら
これらすべてを喜ぶがよい」
と言います。もちろん「闇の日が多いことも」、コヘレトはよく知っています。そうであるからこそ、若い者も年を重ねた者も、神が与えてくださった人生の楽しみを喜べ、と言って励ますのです。
冒頭の言葉、「若き日に、あなたの造り主を心に刻め」というのは、私たちに喜びも悲しみもある人生の日々を与えてくださった神さま、私たちを照らす太陽も、夜の闇もお造りになった方を心に刻み、この方を畏れ、この方のゆえに喜べ、ということであろうと思います。私たちに命を与えてくださった方の前で、私たちは生きている。だから、若い日々も、年を重ねた時にも、同じ神さまの祝福と慈しみの中を私たちは生きているのです。造り主なる神様を覚えることこそ、私たちの最高の幸せなのです。

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