2020年3月16日月曜日

2020年3月16日(マルコによる福音書1:1〜20)

マルコによる福音書1:1~20;
「神の子イエス・キリストの福音の初め。」
マルコによる福音書の最初の言葉です。もとの言葉の語順をそのまま生かして直訳するならば、「初め、福音の、イエス・キリストの、神の子の」となります。一番最初に登場する「初め」という単語には「初め」という意味も「始め」という意味もあります。マルコによる福音書では、「天地創造の初め」という使い方や、さまざまな私たちの降りかかる艱難について、主イエスがこれらは「産みの苦しみの始まりである」と言われる場面が出てきます。つまり、このマルコによる福音書は、イエス・キリストの福音の原初であり、福音の始まりの出来事でもある、ということでしょう。
福音は、イエス・キリストから始まりました。福音の基はキリストご自身です。そもそもこの「福音」という言葉も、マルコが心を込めて使っている言葉です。この書は今では「マルコによる福音書」と呼ばれていますが、そういうタイトルがもともとついていたわけではありません。後に他の人がつけたタイトルです。イエス・キリストを伝えるこの書が「福音」と呼ばれたのは、マルコがこうして「イエス・キリストの福音」と私たちに伝えたからです。
福音、それは「良い知らせ」という字です。イエスがキリストとして、また神の子として私たちに告げてくださった良い知らせです。イエスが神の子でいらっしゃることについては、この福音書が始まってすぐ、主が洗礼をお受けになったときのこととして伝えられています。「そしてすぐ、水から上がっているとき、天が裂けて、霊が鳩のようにご自分の中へ降って来るのを御覧になった。すると、『あなたは私の愛する子、私の心に適う者』という声が、天から聞こえた」と言われています。主イエスは神の子。それもまたこの福音書が伝える大切なメッセージの核です。そのイエスが神の子として私たちに告知した福音、それは15節に書かれています。「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて、福音を信じなさい」と。
イエスは宣言します。「神の国は近づいた」。神の子がそう宣言したのですから、もう神の国は近づいて、やって来ました。私たちの間に、神の国は始まっています。これが、主イエスの福音の告知です。私たちも、今朝、この告知を聞きました。主イエスは私たちの間にも神の国を来たらせてくださっています。私たちの目に映る現実がどんなにそれを裏切っているとしても、神の子の宣言は変わりません。その現実に、神の国が到来しています。だからそのことを信じ、キリストに従っていく弟子として生きていきたい。そのように願います。

2024年4月26日の聖句

神を畏れ、その戒めを守れ。これこそ人間のすべてである。(コヘレト12:13) (イエスの言葉)「第一の戒めは、これである。『聞け、イスラエルよ。私たちの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、魂を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』第二の戒めは...