2020年7月12日日曜日

2020年7月12日(使徒言行録28:1〜15)

使徒言行録28:1~15
難破したパウロたち一行は流されるままに身を委ね、ついに砂浜のある入り江にたどり着きました。泳いでその島に渡り、囚人たちも殺されることなく全員が上陸することができました。そこはマルタ島でした。イタリア半島の長靴のつま先の沖合にあります。その島の住民は遭難してきた彼らに親切に振る舞い、たき火をしてくれました。そこで小さな事件があった。毒蛇が出てきてパウロの手に絡みついたとき、島の住民は思いました。「この人は人殺しに違いない。海では助かったが、正義の女神はこの人を生かしてはおかないのだ」と。しかし、パウロはその毒蛇から害を受けることなく、たき火の中に振り落としてしまった。それを見て、彼らは「この人は神さまだ」と言ったというのです。
さらに、島の長官プブリウスという人の父親が熱病と下痢にかかったとき、パウロはこの人に手を置いて祈り、病が癒やされたということがありました。島の他の病人のためにも、パウロは手を置いて祈りました。それで、島の人たちは一行に敬意を表し、船出の時には必要なものを準備してくれたのでした。
なんとも不思議なエピソードですが、マルコが伝える復活の主イエスのお言葉に、このようにあります。「信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らは私の名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも、決して害を受けず、病人に手を置けば治る。(マルコ16:17~18)」このままのことがパウロに起こりました。パウロは彼らを癒やし、そして、何よりも福音を語ったのでしょう。新しい言葉、キリストを告げる喜びの言葉で。だから、すごいことをする人や支配する人に向かって「この人は神様だ」と言って拝む呪縛から自由にするキリストを知り、解放されたのではないかと思います。マルタの人たちにとって、そのことこそが何よりも大きな喜びだったのではないでしょうか。
こうして、ついにパウロはローマに着きます。ローマからきょうだいたちが出迎えに来てくれました。まだ会ったことのない内からこの教会に手紙を書き送り、共にキリストを信じる交わりに生きてきた人たちです。教会の仲間に迎え入れられながら、パウロはついに地の果てたるローマにまでたどり着いたのです。

2024年4月24日の聖句

恐れるな、もはや恥を受けることはないから。(イザヤ54:4) 天使は女たちに言った。「恐れることはない。十字架につけられたイエスを捜しているのだろうが、あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。」(マタイ28:5~6) 「あの方は、ここにはおられない。」最初のイースターの朝...