2020年7月4日土曜日

2020年7月4日(使徒言行録21:17〜40)

使徒言行録21:17~40
エルサレムで、パウロが逮捕されました。エルサレムの教会の仲間たちはパウロの到着を喜んで迎えてくれました。ところが、パウロに迫っていた危機を案じています。パウロを捕らえようとしていたのはユダヤ人たち。容疑は、モーセの律法を蔑ろにしている、ということです。パウロが「子どもに割礼を施すな。慣習に従うな」と言っていると、ユダヤ人たちはパウロについて怒っていたのでした。
確かに、パウロはそういうことを言っています。パウロ自身が書いた手紙、例えばガラテヤの信徒への手紙などを読むとこの問題を丁寧に論じ、むしろ割礼に頼る信仰のあり方の問題点を指摘します。結局、自分を救うのは自分の正しさだという話になってしまう。そうではないはずだ、私たちを救うのはただキリストの十字架に現された神の恵みだけだ、とパウロは訴えました。
しかし、表面的に律法が要求する業を蔑ろにしているという部分を切り取って見ていた者たちにとっては、パウロは自分たちがひたすら守ってきたタブーを土足で踏みにじる裏切り者としか映りません。そこで、そういうユダヤ人たちの怒りを知っていたエルサレムの教会の仲間たちが、パウロに提案します。ここにいる四人の仲間たちが誓願を立てるために身を清め、頭を剃るための費用を出してほしい、そうやって律法を重んじていることを示してほしい、と。確かにパウロは律法の行いではなく神の恵みによって救われることを説きましたが、律法を無効にしようとしていたわけではありません。それでパウロもその提案に同意し、そのようにした。ところが、パウロは僅かその一週間後にユダヤ人の手で逮捕されてしまったのです。
パウロは神殿で逮捕されました。その時、都中の大混乱が起き、人々はパウロを打ち叩く。その以上を聞きつけたローマの軍人が混乱を収束するために現地に駆けつけます。「大隊長は直ちに兵士と百人隊長を率いて、その場に駆けつけた。群衆は大隊長と兵士を見ると、パウロを打ち叩くのをやめた。大隊長は近寄って来てパウロを捕らえ、二本の鎖で縛るように命じた。」こうして、パウロの囚人としての生活が始まったのです。
パウロは逮捕されました。後年、パウロは今回の宣教旅行でも共にいた若き伝道者テモテに手紙を書きます。その中にこのように書きました。「この福音のために私は苦しみを受け、ついに犯罪人のように鎖につながれています。しかし、神の言葉はつながれていません。」パウロは捕らえられた。しかし、神の言葉はつながれていない!この言葉を証明するかのように、パウロはこれから囚人として伝道の業に仕えるのです。囚人として、伝道者として、パウロはローマに向かう。使徒言行録は、まだまだ続きます。

2024年4月20日の聖句

私は必ずあなたを助け出す。剣に倒れることはない。あなたの命はあなたの戦利品となる。あなたが私を信頼したからであるーー主の仰せ。(エレミヤ39:18) イエスはその犯罪人に、「よく言っておくが、あなたは今日私と一緒に楽園にいる」と言われた。(ルカ23:43) 主イエスが十字架の上で...