2021年7月24日土曜日

2021年7月24日(コヘレトの言葉2:12~21)

コヘレトの言葉2:12~21
知恵ある者も愚かな者と同様に
とこしえに思い起こさせることはない。
やがて来る日にはすべてのことが忘れ去られる。
知恵ある者も愚かな者も等しく死ぬとは
  何ということか。
私は人生をいとう。太陽の下で行われる業は私にとって実につらい。すべては空であり、風を追うようなことだ。(16~17節)

ソロモンの息子はレハブアムといいますが、これが大変愚かな王でした。レハブアムの愚かな振る舞いによってすぐに人々の心は離れ、王国は南北に分裂してしまいます。もう二度と、一つにまとまることはありませんでした。ダビデ・ソロモンというイスラエル史上の最高の時代のすぐ後、急転直下のようなかたちで悲惨な時代が続くことになります。
コヘレトは言います。
「王を継ぐ人が
すでになされたことを繰り返すだけなら
  何になろうか」(12節)。
「私は、太陽の下でなされるあらゆる労苦をいとう。それは私の後を継ぐ者に引き渡されるだけだ。そのものが知恵ある者か愚かな者か、誰が知ろう。太陽の下で私が知恵を尽くして労したすべての労苦をその者が支配する。これもまた空である」(18~19節)。
例えソロモンがどんなに優れた知恵を持っていたとしても、彼の後継者が愚かでは結局その労苦は無駄になってしまう。空しいこと、つかの間のことに過ぎない。しかも、結局は知恵ある者も愚かな者も同じように死ぬのであり、後生思い起こされることもない。「知恵ある者も愚かな者も等しく死ぬとは何ということか」(16節)。
コヘレトは人間の限界に対してとても正直です。私たちは死ぬ存在であり、自分ですべてを完成させることはできない。死んだ後のことは何一つ手出しできません。そういう生きることの現実に疲れたとき、それでもなお生きることをどうやって肯定するのか?コヘレトの言葉になお耳を傾け続けたいと思います。

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