2021年7月30日金曜日

2021年7月30日(コヘレトの言葉4:13~5:6)

コヘレトの言葉4:13~5:6
神の前に言葉を注ぎ出そうと
焦って口を開いたり、心をせかしたりするな。
神は天におられ、あなたは地上にいるからだ。
言葉を控えよ。
仕事が増えれば夢を見
言葉が増せば愚かな者の声になる。(5:1~2)

今日の箇所は内容が前半と後半に分けています。前半は4:13~16で、ここでは統治者に対する言葉。後半は4:17~5:6で、こちらは神殿礼拝に対する言葉です。
前半の言葉はかなりラディカルな社会批判です。「貧しくても知恵ある少年のほうが、もはや忠告を聞き入れない老いた愚かな王よりまさる。」かなり痛烈な王に対する批判です。例としては少し卑近すぎるかも知れませんが、私たちの国で言えば二世・三世の代議士が当然のように偉くなって権力の座に居座ることよりも、どこの馬の骨かも分からない貧しい人の方が良い、ということでしょうか。貧しい馬の骨はいくら知恵があっても、結局大衆は変化を好まないので、ほとんど門戸が開くことはありません。私たちには「老いた愚かな王」を好むところがあります。その結果が昨日も読んだ4:1の「太陽の下で行われるあらゆる虐げ」なのかもしれません。権力は必ず腐敗するからです。
後半は神殿での祈りに注目します。神の前で焦って口を開き心をせかして軽率な言葉を重ねるな、と忠告します。「神は天におられ、あなたは地上にいるからだ。言葉を控えよ。」この警告は、祈りのこころの大切な事柄を私たちに教えます。神の御前で畏れ、取り繕ったり言葉数を多くしたりするのではなく、へりくだって真実な心をお献げすることを私たちに教えます。さらに6節には
「夢が多ければ、ますます空しくなり
言葉も多くなる」
と書かれています。これも印象的です。自分の願望や要求を神さまに押しつける祈りに終始してはいないかと問われているのではないでしょうか。「神を畏れよ」とここでも繰り返していることを心に留めたいと思います。
この世の統治権力のことを考えるときにも、祈りを考えるときにも、主を畏れ、神さまの前に真実に生き、また祈るための道を求めていきたいと願います。

2024年4月26日の聖句

神を畏れ、その戒めを守れ。これこそ人間のすべてである。(コヘレト12:13) (イエスの言葉)「第一の戒めは、これである。『聞け、イスラエルよ。私たちの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、魂を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』第二の戒めは...