2021年7月9日金曜日

2021年7月9日(箴言20)

箴言20
眠りを愛するな、貧しくならないために。
目を開き、パンに満ち足りよ。
「高い、高い」と言って買いながら
そこを去ると、自慢する。
金も、多くの真珠もある
だが、より高価な器は知識ある唇。(13から15節)

聖書は、現代の資本主義経済の社会を知っていたのだろうかと不思議な気持ちになります。休んではいられない。貧しくなったらくっていけない。その次の言葉も、おもしろい言葉です。「高い、高い」と言って買いながら、そこを去ると、自慢する。まさに!聖書にこんなことが書いてあるなんて、と思わずいってしまうような言葉です。
社会学者マックス・ウェーバーの分析によれば、資本主義経済のゆりかごは近代のプロテスタント主義でした。勤勉に働き、無駄づかいをしない。「眠りを愛するな、貧しくならないために」という言葉の通りに働いたのです。単に産業革命、工業化、貿易、などなど、それだけでは新しい経済システムは生まれなかった。「目を開き、パンに満ち足りる」ような精神性がなければ。そのような精神性、ウェーバーはエートスと呼びますが、それがプロテスタント主義であった、というのです。プロテスタント的エートスによって生まれた倫理的な勤勉さが資本主義経済を生み出したと言うのです。
ところが資本主義経済がシステムとして完成するにつれて、それを生み出した精神性は必要なくなってしまいました。精神を失っても一度動き出したシステムは自動的に回ります。プロテスタント的エートスが失われ、それによって培われた倫理が失われたとき、資本主義というシステムだけが残り、システムが鉄の檻となって現代人を苦しめる。現代社会はウェーバーが予言したとおりになってしまいました。
15節にはこのようにあります。「金も、多くの真珠もある。だが、より高価な器は知識ある唇。」あるいは22節には「主に望みを置け、主があなたを救ってくださる」ともあります。15節で言う知識とは、やはり、主を畏れる知恵に基づく知識に他ならないのでしょう。ウェーバーがプロテスタントのエートスと呼ぶものが、これです。主を畏れ、主の前に誠実に今日するべきことをする。信仰に基づく真摯な生き方こそが、現代社会に本当に必要なあり方なのではないでしょうか。

2024年4月25日の聖句

救いは主のもの。 あなたの民の上に祝福を。(詩編3:9) イエスは手を上げて彼らを祝福された。(ルカ24:50) 主イエス・キリストは復活して40日間弟子たちと共におられ、その後、天に昇って行かれました。その時、主イエスは手を上げて弟子たちを祝福し、その恰好のままで天に上げられて...