2017年10月1日日曜日
コリントの信徒への手紙一第9章19節「自由」
1517年10月31日にマルティン・ルターという修道士がヴィッテンベルク城の教会の門扉に95ヶ条からなる公開質問状を張り出しました。やがて、その日はプロテスタント教会から宗教改革記念日と呼ばれるようになりました。教会改革のうねりは国境を越え、欧州全体に飛び火し、更に歴史を変える大事件になりました。私たちの教会も、この教会改革運動に端を発する「長老教会」の伝統に生きています。今月でこの改革から500年を数えます。「改革」と言うからには過去のエピソードになってしまった時点で意味を失います。改革は常に「今」のことでなければ仕方がありません。今、私たちが聖書の言葉によって絶えず改革され続ける教会であるためにも、今月はルターの信仰に学んでいきたいと思います。今日は「自由」を主題とします。1520年にルターは『キリスト者の自由』という名著を書いています。岩波文庫でも出ています。ぜひお読みください。このような命題から始まります。「キリスト者はすべてのものの上に立つ自由な主人であって、だれにも服しない。」神を信じる者は自由だと言います。フト立ち止まって考えます。私たちは、神を信じてまで自由になりたいと思っているのでしょうか?あるいは、神なんて信じたら却って不自由になると思ってはいないでしょうか?今度、選挙が行われることになりました。もちろん、私たちは誰にも投票行動を監視されることもなければ、誰かに投票するように強制されることもありません。自由です。しかし、もしも私たちが空気や雰囲気で決めたり、候補者の考えの意味を良く吟味もせずに行動を起こしたら、それは本当に自由な選択と言えるのでしょうか?「真理はあなた方を自由にする。」主イエスはそう言われた。やはり、真理であるキリストと自由とは無関係ではないのではないか。キリストがくださるという自由とは一体どういうものなのか。今日の御言葉はルターが『キリスト者の自由』の冒頭で掲げているものです。「わたしは、だれに対しても自由な者ですが、すべての人の奴隷になりました。できるだけ多くの人を得るためです。」ルターはあの命題に続けて、すぐに第二の命題を掲げます。「キリスト者はすべてのものに仕える(ことのできる)僕であって、だれにでも服する。」なぜか?できるだけ多くの人を得るために。私たちは自由です。キリストが自由にしてくださいました。何を食べても飲んでも自由です。自由だから、例えば仏式のお葬式に行けばお焼香をする自由もあります。しかし、今日の聖書の言葉の文脈で言われていることは、私は何においても自由だけど、弱い人が私のその自由な振る舞いを見て躓いてしまうのであれば、私はその自由を行使しないという話です。私は自由、他の人のためのその自由をストップできるほどに自由。そう言うのです。できるだけ多くの人を得るために、私はだれの僕にでもなれる、そういう自由に生きている、と言うのです。それは、キリストが私のために、僕になってくださったからです。私は、どうしたって自分の自由を自分だけのものにしておきたい。時間も、お金も。それは恥ずかしいほどの気持ちです。でも、キリストがくださったものは時間どころじゃない、お金どころじゃない。御自分の命さえその自由のゆえに与えてくださいました。それが私の原点です。このキリストが私を同じ自由に生かしてくださる。それが、キリストがくださる自由、他者のために生きる自由です。
2025年4月7日の聖句
主は虐げられているすべての者のために、正義と公正を行う。(詩編103:6) だから、なすべき善を知りながら行わないなら、それはその人の罪です。(ヤコブ4:17) 主が、正義と公正を行われる。虐げられているすべての人のために。ここに、私たちのなすべき善がある。聖書はそのように言いま...
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さがみ野教会の皆さま おはようございます。 気持ちのいい、爽やかな秋空の朝を迎えました。お変わりなくお過ごしでしょうか。 明日14日の日曜日の礼拝は成長感謝礼拝(子ども祝福式)です。 讃美歌や説教などが子ども向けのものとなり、大人と子どもとが共に神さまを礼拝し、子どもたちへの祝福...
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仲間に向かって平和を口にするが心には悪意を抱いている「神に逆らう者」いる。しかし、私は主を呼び求めます、と告白する。「至聖所に向かって手を上げ、あなたに救いを求めて叫びます。」新約の信仰に生きる者にとって、この至聖所はキリストがおられる「恵みの座」であり、我らは大胆にもそこに近...
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これほど深い絶望の言葉があるのか。神に見捨てられた。しかも「わたしの神」と呼ぶ方に。昨日までは親しい思いを抱いていたのか。今なお愛を込めて呼ぼうとしているのか。神は応えてくださらない。「主に頼んで救ってもらうがよい」などと誰に言われずとも自分が一番願っている。しかし、助けは来な...