ルードルフ・ボーレン著、川中子義勝訳『祈る パウロとカルヴァンと共に』より
「復活Ⅱ」
…福音によって命と不死を明らかにされた…。
テモテへの第二の手紙1章10節
キリスト・イエス、あなたは
我らの命をも
墓から連れ出された。
ああ その命を光なきまま
薄明かりや暗闇におかないでください。
あなたの福音が我らを照らし、
我らの心に燃え
すべて死すべきもの
憂いの霊、自己同情、
焦り、昂ぶり
また憂鬱を悉く食い尽くすように。
我らを日々の逆境においてもなお強くし、
我らを傷める者たちを
赦せるようにしてください、
また我らの知らない余所者たちを
顧みるようにしてください。
あなたの言葉と霊とともに
我らの心に留まり、
我らのささやかな耕地に
御国のための果実が実るようにしてください。
我らは、まだ光のうちに
生きていない総ての者たちのために願う、
子どもたちのために苦しんでいる親たちのために、
不正な仕打ちを受けた若者たちのために、
病人や死期近い者たちのために、
損失を被った者たちのために、
不当に扱われた者たち、悲しんでいる者たちのために、
あなたの光の魁として、
我らがいささかの元気を彼らにもたらせるように願う。
我らは、国中の死が勝ち誇っている
諸国民のために願う、
総ての民の内にあなたの命が光となるようにと。
退却するのではなく、むしろ前進するように心がけなさい。あなた方は、一人が一人に教えるように、またあなた方皆が良き生き方によって力や知識の乏しい者たちに教えるようにしなさい。ほかならぬその仕方で敵を恥じ入らせなさい。そのようにして、神があなた方に託してくださった富をさらに増し加えるようにしなさい。そうするとき、あなた方は頭上に神の手を感じることでしょう。神に私は願いました。あなた方に神が与えられた恵みの賜物をあなた方のうちに増してくださるように、またあなた方を強くして欣然と立たせてくださるように、あなた方を狼や犬どもの中で守ってくださるように、またどんな仕方でもご自身があなた方において栄光を顕されるように。同時に私もまた、自分のためにあなた方が執り成してくださるように託しています。
フランスの福音主義信徒らへのカルヴァンの書簡
1547年7月24日付け