2018年7月15日日曜日
コリントの信徒への手紙一第1章10から17節「心を一つに、思いを一つに」
コリントの信徒への手紙は、使徒パウロがコリントにある教会へ宛てて書いた手紙です。とても長い手紙です。読んでみてすぐに分かることは、パウロは、喜んでこの手紙を書いているわけではないということです。むしろ、パウロの悲しみが伝わってきます。コリントの教会には、パウロが手紙を書かないといけない事情がありました。この教会は、今、分裂していた。それが致命的な傷になりかねない。その危機感がひしひしと伝わってきます。一体、何が起きていたのでしょうか。コリント教会は、分裂していました。パウロ派、アポロ派、ケファ派、キリスト派ができていたようです。そもそもこの教会は、パウロが1年半にわたってこの町に滞在して、伝道して、生まれた教会でした。パウロの信仰、その使命感に触発されて信仰を抱いた人は多かったのでしょう。パウロがコリントを離れた後、すぐにアポロという人がやってきました。教養の高い雄弁家であったようです。名説教者でした。パウロは手紙のイメージとは違い、直に合うとそれほど口上手ではなかったようです。アポロ人気が高まりました。ケファというのは、ペトロのことです。コリント教会とペトロとの関係はよく分かりませんが、主イエスの一番弟子と目され、しかもエルサレム教会のリーダーです。自分たちこそ本家本元という思いを込めて、ケファにつくという人もいたようです。すると、本当の信仰とはこれだと言わんばかりに、キリスト派を名乗る者たちが現れた。教会は、混乱していました。更に問題を複雑にしていたのが、洗礼です。私は○○先生から洗礼を受けた、◇◇先生の時代からのメンバーだ…ということを誇りとし、教会の一致が損なわれ、何よりも大切なことが見失われていった。何よりも大切なこと、それは、言うまでもなく十字架にかけられたキリストです。どうして、キリストを見失ってしまったのでしょう?そのヒントが、10節にあると思います。後半を直訳すると、このようになります。「あなたたちは皆一つの事を話すように。そしてあなたたちは分裂しないように。一つの心、一つの思いによって、修復するように。」この修復というのは、網を「繕う」という字です。破れたものを縫い合わせる。一つの言葉、一つの心、一つの思いによって。このひとつの言葉というのは、同じ源泉を共有していることだと言っている人がいました。教会を開拓したパウロとの思い出や彼個人の信仰の姿、アポロの雄弁や賢さ、ケファのリーダーとしての地位や人間的魅力、それらがどんなに素晴らしいものであったとしても、教会の一致の源泉にはなりません。私たちにはとても魅力的に映りますが、教会の一致はそのようなところに基を置くことができない。私たちが互いに語り合うひとつの言葉、一つの思いや一つの心、それは十字架のキリストです。一体誰が、私たちのために十字架にかけられたのでしょう。私たちは、誰の名によって洗礼を授けられたのでしょう。私たち教会には、キリストしかないのです。自分たちの由緒正しさを証明するためのキリストではありません。私たちが、キリストが十字架にかかってくださらなければ救われようのない、どうしようもない罪人だからです。ただその事実の前に頭を垂れることでしか、教会が一致することはできないのです。私たちも、十字架の下に帰りましょう。罪を告白し、主よ救ってくださいともう一度祈りましょう。そこで、私たちは一つになります。
2024年12月21日の聖句
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