2018年8月5日日曜日
コリントの信徒への手紙一第2章1から5節「私が知るただ一つの事」
「兄弟たち、わたしもそちらに行ったとき、神の秘められた計画を宣べ伝えるのに…」と始まっています。パウロが初めてコリントで伝道したときのことに触れています。その時のことは使徒言行録18:1-17に書かれていますが、更にその前史として、17:16-34にあるアテネでの伝道も重要な出来事だったと思います。最初は珍しい物が好きなアテネの人々はパウロの言葉をおもしろがっていましたが、最後にキリストの復活の話をし出すと、人々はパウロを馬鹿にしてあざ笑い、耳を貸さなくなりました。殆ど成果を得ることができませんでした。それでパウロはアテネを出て同じギリシアにあるコリントに向かいます。コリントではアキラとプリスキラという夫婦と出会い、この夫婦はパウロの善き協力者になりました。パウロは再び伝道を続けます。パウロを伝道旅行に送り出したアンティオキア教会から、シラスとテモテが来て、パウロを助けてくれました。一所懸命に、パウロは伝道する。しかし、パウロがイエスの話をすればするほど、人々の反抗を買い、口汚く罵る者もいました。ある夜、神さまがパウロに幻の中で言われる。「恐れるな、語り続けよ。黙っているな。わたしがあなたと共にいる。」裏を返せば、恐れていたのです。語り続けられなくなりそうになっていたのです。確かにコリントでは大きな伝道の実りもあったけれど、バカにされ、反抗され、迫害されました。パウロは恐れていた。しかし、それでもパウロは語ります。主に励まされて。どうやって伝道したのか?「イエス・キリスト、しかも十字架につけられたキリスト」、ただこのお方のことだけをひたすら語りました。不思議ではないでしょうか。アテネでの失敗やコリントでの迫害を考えれば、別の、もっとみんなが喜んで聞いてくれる「いい話」でもすれば良さそうなものです。しかし、パウロは敢えて十字架のキリストだけを語ります。なぜか?これこそ、神が私たちのために備えてくださった救いだからです。あなたのために死んでくださった方がいる、あなたの身代わりに十字架にかかった方がいる。それは、愚かな言葉です。人間のニーズはもっと他にたくさんあります。そして、その願いの数だけたくさんの神々が生み出され、それだけ多くのパワースポットがこしらえられていきます。しかし、パウロは断乎として十字架のキリスト以外のことは知るまいと決断し、集中した。十字架に現れた神の愛だけを語りづけたのです。3節に「そちらに行ったとき、わたしは衰弱していて、恐れに取りつかれ、ひどく不安でした」と書いてあります。新共同訳では不明確ですが、原文を見ると、この「わたしは」は「わたしも」と書いてあります。誰と同じように「わたしも」なのか?恐らく、キリストです。十字架の上のキリスト、弱く、私たちのために愚かにも十字架をも受け入れてくださったキリスト。わたしも、あなたたちのところで衰弱し、恐れ、不安だった。その弱さを、パウロは受け入れました。そして、弱いからこそ現れる神の力を信じました。神の力が、十字架によって私たちの間に現れることを信じていました。だから、パウロも弱くなって、愚かになって、十字架だけを語り続けた。私たちの宣教の言葉はこれに尽きる。善い人のために命を惜しまないものは、いるかもしれません。しかし、神はまだ私たちが罪人であったときに、御子を十字架にかけて私たちを救ってくださったのです。ここに救いがあるのです。
2025年12月16日の聖句
神に対してただ静かであれ、私の魂よ。なぜなら神は私の希望だからである。(詩編62:6) また、幸いなる希望、すなわち大いなる神であり、私たちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望んでいます。(テトス2:13) 「神に対してただ静かであれ、私の魂よ。」私たちもこの言葉を...
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1. ヨハネによる福音書は最後の晩餐の場面をとても長く書いている。全部で21章の福音書の内の5章、4分の一に近い。しかも、いわゆる受難週の記事の殆どがこの晩餐の場面だ。その最後の晩餐を覚える祈祷会をこの木曜日に献げている。キリストがしてくださったように私たちもするのだ。主が...
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