今日の通読箇所:コリントの信徒への手紙二9、エステル記2~3
エステル記2~3;
クセルクセス王の後宮に新しい娘たちが集められました。その中の一人にユダヤ人の娘ハダサがいました。ハダサという名前にはヘブライ語で銀梅花という意味があります。ハダサは、しかし後宮に入ったときに自分のユダヤ人として出自を明らかにしませんでした。彼女の後見人である伯父のモルデカイの指示によるものです。恐らく、ペルシアの国でマイノリティであったユダヤ人というアイデンティティを明らかにすることは、生きにくさに直結したのであろうと思います。そこで、ハダサはペルシア語の名前を名乗りました。それがエステル、これは星という意味の名前です。エステルはクセルクセス王の寵愛を受け、妃としての冠を戴き、王は彼女のことを喜んで、諸州に免税までも行いました。
ちょうどその頃、ペルシアにハマンという大臣がいました。エステル記に登場するハマンの振る舞いを見ると、いかにも権威主義的で弱い者には威張り散らし、王には媚びへつらう人物として描かれています。ハマンは自分の権威を笠に着て、人々に対し、自分に向かってひざまずいてひれ伏すように要求しました。ところが、人をまるで神のように拝めという要求をはねつける人がいた。それが、エステルの後見人であったモルデカイです。エステルにはユダヤ人であることを隠すように言っていましたが、モルデカイ自身はそのことを隠してはいなかった。ただお一人の神にのみひれ伏すモルデカイは、ハマンの前に膝をかがめることは最後まで拒んだ。彼のそのまっすぐな態度が、ハマンの怒りを買いました。ハマンは王を唆して、ユダヤ人を殲滅する計画を立て、その勅令に王の印を押させることに成功してしまったのです。「この文書は急ぎの死者たちによって王のすべての州に送られ、第十二の月、すなわちアダルの月の十三日に、一日のうちに、ユダヤ人を若者から老人、子ども、女に至るまで一人残らず根絶やしにし、殺し、滅ぼし、また彼らの財産を奪い取ることとなった(3:13)」。
エステル記は、ここから大きく物語が動いていきます。しかしこの続きは、また明日。今朝のところでは、モルデカイという一人の信仰者が貫いた神を信じる者としてのはっきりとした態度を、私たちの記憶にしっかりと留めたいと思います。
2024年12月26日の聖句
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