2019年11月28日木曜日

2019年11月28日(ダニエル書7〜8)

今日の通読箇所:ヨハネの手紙二、ダニエル書7~8

ダニエル書7~8;
ダニエル書第7章以降は、第6章までとは打って変わった内容です。ダニエルが見た幻、夢の話です。夢というと私たちからすると随分と頼りない感じがしてしまいますが、人間の知恵を越えたところで神が見せてくださったヴィジョンです。そもそも、ダニエルは王たちの夢を解き明かしてきました。もしかしたら、私たちは人間の知恵の外にあるものについて、不当な評価を下しているのかも知れません。
ここでダニエルが見た幻は、四頭の生き物の幻でした。第一の獣は獅子のようで、鷲の翼が会った。第二の生き物は熊に似ていた。第三の生き物は豹のようで、背中には四つの鳥の翼があった。第四の生き物は、恐ろしく、不気味で、異常に強く、大きな鉄の歯があり、食らい、かみ砕き、残りを両足で踏みにじった。さらに十本の角があり、また別の小さな角が生えてきて、そのために三本が抜け落ちた。この角には人間の目のような目があり、尊大なことを語っていた。この幻、四頭の生き物は、地に起こる四人の王であると言います。
さらに第8章でも、やはり恐ろしい雄山羊の幻を見ます。これにも二本の角がありました。この獣もわが物顔に振る舞い、高ぶっている。さらにもう一匹、別の雄山羊が出てくる。この山羊はあの二本の角を持つ雄山羊に突進し、その角をへし折りました。これらの雄山羊は、メディアとペルシア、そしてギリシアの王たちのことだと言います。
ダニエルがここで見た幻は、どちらも、人間の支配者の栄枯盛衰を描いたものと言えます。どれもこれも共通しているのは、神を畏れることなく、獣のように振る舞うということです。人間の支配とは、そういうものであるのかも知れません。獣じみているのです。獣のように、弱者を踏みにじり、わが物顔で振る舞い、おそれることを知らないのです。支配者がそのような栄枯盛衰を繰り返し、多くの民はそのために命を落とし、苦しめられ、名前も覚えられることなく消えていきます。
その中で、ダニエルが見た救いを告げる幻が、これです。「私は夜の幻を見ていた。見よ、人の子のような者が、天の雲に乗って来て、日の老いたる者のところに着き、その前に導かれた。この方に支配権、栄誉、王権が与えられ、諸民族、諸国民、諸言語の者たちすべては、この方に仕える。その支配は永遠の支配で、過ぎ去ることがなく、その統治は滅びることがない」(7:13~14)。
先日ローマ・カトリック教会の強行フランシスコが来日して、長崎と広島でスピーチをしました。私は、歴史の支配者たちの支配を越えた神の支配を信じている人の言葉だと思いました。世界の現状を「現実」というもっともらしい言葉で追認してみせるのではなく、神の永遠の支配の幻を見る信仰の眼が、私たちに必要なのではないでしょうか。

2024年4月20日の聖句

私は必ずあなたを助け出す。剣に倒れることはない。あなたの命はあなたの戦利品となる。あなたが私を信頼したからであるーー主の仰せ。(エレミヤ39:18) イエスはその犯罪人に、「よく言っておくが、あなたは今日私と一緒に楽園にいる」と言われた。(ルカ23:43) 主イエスが十字架の上で...