2020年5月25日月曜日

2020年5月25日(ルカによる福音書21)

ルカによる福音書21
「その時、人の子が力と大いなる栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。」
ハンス・ヨアヒム・イーヴァントという牧師がいます。彼は第二次世界大戦下のドイツでナチの支配に抵抗する教会の牧師でした。ナチの弾圧が激しくなる中、彼らは自分たちで牧師の要請を行うべく、牧師補研修所をつくります。イーヴァントは東プロイセンの牧師補研修所の所長でした。1937年頃に彼がそこでした講義の記録が、日本語に翻訳された出版されています。
この本の中で、イーヴァントは、教会が没落してしまうというようなことはありえないと考えるのは、決して褒められたことではないと言います。教会は没落してしまうかも知れない。この世界から消えてしまうかも知れない。イーヴァントは、本当に厳しい肌感覚として、真剣にその危機を感じ取っていたのです。
今日私たちに与えられている聖書の御言葉は、厳しい危機を語ります。「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、また、大地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や天から大きなしるしが現れる。しかし、これらのことがすべて起こる前に、人々はあなたがたを捕らえて迫害し、会堂や牢に引き渡し、私の他のために王や総督の前に引っ張っていく。」しかし、主イエスは、そうだからと言ってこの世界の終わりが来たということではないと言います。「戦争や騒乱があると聞いても、おびえてはならない。こうしたことは、まず起こるに違いないが、それですぐに終わりが来るわけではない。」むしろ、私たちが苦難の日々に迫害されるとしたら、「それは、あなたがたにとって証しをする機会となる」と言います。
イーヴァントは厳しい現実を見ながら言います。教会が没落するということがありえる。だからこそ、私たちは神に与えられた使命に生きねばならない。神に与えられた使命、それは、私たちが福音の言葉を語ること、証しすること。私たちは例えすべての秩序が崩れたとしても、神の命令に従って福音を語り続けるのだ、と。
主イエスが今日語っておられることの急所は、私たちは、戦争や疫病のようなことでこの世界の終わりを測るのではなく、私たちがキリストを待っていること、キリストが来て私たちを救ってくださる日を待っていることです。「あなたがたの救いが近づいている」と主イエスは言われます。
私たちキリスト教会のメッセージは、世紀末的なこの世界の破滅を予見するようなものではありません。キリストが私たちのところに来て、私たちを救ってくださる。そういう希望のメッセージです。この福音を証しする使命を、神は私たちに託してくださいました。望みの言葉、命の言葉は、今この時代に生きる人々にとってもかけがえのない価値を持っているのではないでしょうか。

2024年3月29日の聖句

ヤコブは、神が自分と語られた場所をベテル(神の家)と名付けた。(創世記35:15) 百人隊長や一緒にイエスの見張りをしていた人たちは、自身やいろいろの出来事を見て、非常に恐れ、「まことに、この人は神の子だった」と言った。(マタイ27:54) 神が自分と語られた場所をベテル(神の家...