2020年6月10日水曜日

2020年6月10日(使徒言行録7:17〜60)

使徒言行録7:17~60
教会が、教会の愛を保つために「信仰と聖霊とに満ちた人」の一人、そして恐らく筆頭として選んだステファノは、恵みと力に満ちて素晴らしい不思議な業としるしを民衆の間で行い、律法学者や長老たちの憎しみを買うようになりました。最高法院に連行され、「この男は、この聖なる場所と律法をけなして、一向にやめようとしません」と難癖をつけられます。大祭司から「訴えのとおりか」と尋問されたステファノがその問いに答えてした説教が、今日の箇所です。
この説教のメインは、モーセです。モーセは、絶えず人々の無理解に直面していました。若いころの出来事について、ステファノはこのように伝えます。「翌日、モーセはイスラエル人が互いに争っているところに来合わせたので、和解させようとして言いました。『君たちは兄弟どうしではないか。なぜ、傷つけ合うのだ。』すると、仲間を痛めつけていた男は、モーセを突き飛ばして言いました。『誰が、お前を我々の監督や裁き人にしたのか。昨日エジプト人を殺したように、私を殺そうというのか。』モーセはこの言葉を聞いて逃げ出し・・・。」この前日、モーセはイスラエルの同胞を痛めつけるエジプト人に復讐をして、殺してしまっていたのでした。
しかしその後、神さまはモーセに現れ、かつて人々が「誰が、お前を監督や裁き人にしたのか」と言って拒んだ者を指導者、また解放者になさいました。
しかし、その後イスラエルの人々は神さまに背き続けます。あるときは「自分たちの手で造ったものを楽しんでいました。そこで神は顔を背け、彼らが天の万象を拝むままにしておかれました」。そして、今、ステファノは目の前にいる同時代のイスラエルの人々に言います。「かたくなで、心と耳に割礼を受けていない人たち、あなたがたは、先祖たちと同様に、いつも聖霊に逆らっているのです。一体、あなたがたの先祖が迫害しなかった預言者が、一人でもいたでしょうか。彼らは、正しい方が来られることを前もって告げた人々を殺しました。そして今や、あなたがたがその方を裏切る者、殺す者となったのです。」人々はそれを聞いて激しく怒り、ステファノに石を投げつけて、殺しました。
最初の殉教者ステファノは、律法をけなしているという言いがかりをつけられて、モーセを蔑ろにした先祖の罪をなぞる人々の手で殺されました。しかし、その最期の時、彼は天が開けて、神の右に立っておられるイエス・キリストを見上げました。主イエスご自身の歩みに重なるようなこの一人の信仰者の姿は、神に逆らう者に深く食い込む罪の恐ろしさを浮き彫りにします。この一人の信仰者の存在が、私たちに語りかけ、問いかけてくるものがあるのです。

2024年4月19日の聖句

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