2020年10月29日木曜日

2020年10月29日(ヨハネによる福音書7:32~53)

ヨハネによる福音書7:32~53
「渇いている人は誰でも、私のもとに来て飲みなさい。私を信じる者は、聖書が語ったとおり、その人の内から生ける水が川となって流れ出るようになる。」

日本聖書協会共同訳という新しい翻訳に従って毎朝のメッセージをお届けしています。この聖書のおもしろいところは、丁寧な引照や訳注がついているところです。上掲の聖書の言葉の中では「その人の内から生ける水が川となって流れ出る」の、「内から」というところに訳注が付いています。そこを見ると、直訳すると「腹から」という意味だと書かれています。おもしろい表現です。「その人の腹から生ける水が川となって流れ出るようになる」。それが主イエスを信じたときに起こることだ、と言うのです。
腹から水が出てくるというのはどういうことなのか。「腹」は、日本語で言うところの「胸」のように、消化器官としてのお腹という意味だけではなく、心の象徴、あるいは心の座として使われることがある言葉です。「憐れむ」という言葉は「腸が痛む」という字で表します。日本語に「胸が痛む」という表現があるのと同じだと思います。
従って、「その人の腹から生ける水が川となって流れ出る」というのは、もう少し直接的に言うと、「その人の心から生ける水が川となって流れ出る」ということであろうと思います。キリストを信じて、キリストのもとに生ける水を求めて行く者は、その人の心から生ける水が川になって流れ出るようになる。主イエスはそのように言います。
これは驚くべき言葉です。生ける水が私の心から流れ出て来るだなんて!私の心から、そんなに良いものが出てくるのか?川となって流れ出るだなんて言われると、そもそも自分がキリストを信じていたはずだったということにも自信がなくなってしまいます。
しかし、主イエスは「私を信じる者は」と言われました。自信(「自らを信じる」と書きます)は、そもそも必要ない。私たちは自分を信じるのではなく、キリストを信じればそれで良い。こんな私の心にさえも、生ける水の水脈を見つけてくださるのは、キリストの御業です。だから信じましょう、キリストがしてくださることを。
生ける水とは、イエスがご自分を信じた者に与えてくださる霊のことです。聖霊です。聖霊は神様ご自身、キリストご自身である霊ですから、私たちが思い通りに操作したり、自分の力で獲得したりできるものではありません。キリストが与えてくださる。キリストが吹きかけてくださる。私たちはこの心でしっかりとキリストを受け入れるという恵みに招かれているのです。

2024年12月27日の聖句

遠く地の果てまで、すべてのものが我らの神の救いを見た。(詩編98:3) また、幸いなる希望、すなわち大いなる神であり、私たちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。(テトス2:13) すてきな言葉です。「幸いなる希望」と言っています。私たちにとって...