2021年8月8日日曜日

2021年8月8日(コヘレトの言葉9:13〜18)

コヘレトの言葉9:13~18
知恵は武力に勝るが
貧しい男の知恵は侮られ
その言葉は聞かれることがない。(16節)

僅かな住民がいる小さな町に大王が攻め込んできた、とコヘレトは語り出します。大王は町を包囲し、巨大の塁を築いた。町にしてみれば絶体絶命です。ところがこの町に知恵ある者がおり、その知恵によってこの町を救った。けれどもこの知恵ある男は貧しい人だったので人々は彼の知恵と貢献を心に留めることなく、すぐに忘れてしまった。それを見てコヘレトがいった言葉が、冒頭の言葉です。彼の知恵はすばらしく、武力にも勝る。しかし貧しいからという理由で、彼を覚える人はいない。
コヘレトが言及している出来事が歴史的にどの出来事を指しているのかは読んだだけでは分かりませんが、しかしそのようなことは分からなくても、この賢い男を巡る町の人々の扱いについては、私たちにもよく分かります。私たちの間でもこういうことは実際に起きているからです。
私たちは実際にこの人が賢いのかだとか、誠実なのか、熟考すべき言葉を語るのか、そういったことよりも、豊かなのか、社会的に信用されているのか、皆が認めているのか、といったことに左右されてしまいます。海外の立派な賞を獲った映画を手放しにありがたがる心理と似ているのかも知れません。映画は作品としての中身の質で評価されるべきです。そんなことはよく分かっているのに、実際には権威に弱い。
コヘレトは言います。
「静けさの中で聞かれる知恵ある者の言葉は
愚かな者たちの支配者が叫ぶ声にまさる。」
人気のある指導者の絶叫や魅力的な言葉に注意しましょう。知恵は、語られた言葉の中身で測られるべきです。その言葉は人々を造り上げ、あるいは弱者に寄り添う言葉でしょうか。それとも、聞いている者の快楽に資する言葉でしかなく、結局は人気を集めの甘言に過ぎないのでしょうか。知恵の言葉を聞き分ける虚心坦懐な心を求めたいと願います。この世界で進む神の御業に少しでもかなう道を私たちが責任的に選ぶことができますように、祈ります。

2024年4月26日の聖句

神を畏れ、その戒めを守れ。これこそ人間のすべてである。(コヘレト12:13) (イエスの言葉)「第一の戒めは、これである。『聞け、イスラエルよ。私たちの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、魂を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』第二の戒めは...