2021年8月6日金曜日

2021年8月6日(コヘレトの言葉9:7〜10)

コヘレトの言葉9:7~10
愛する妻と共に人生を見つめよ
  空である人生のすべての日々を。
それは、太陽の下、空であるすべての日々に
  神があなたに与えたものである。
それは、太陽の下でなされる労苦によって
あなたが人生で受ける分である。(9節)

空である人生のすべての日々、と言っています。コヘレトの言葉に登場するこの「空」という言葉には「つかの間」という意味もあります。空である人生というのは、とても短い、つかの間の人生と理解することも可能です。私たちの短い人生、つかの間の人生を、あなたの妻と共に見つめよ、とコヘレトは言います。
ブラジルに行って見た風景を思い出しました。ブラジルの都会ではなく、田舎のほうです。舗装されておらずデコボコで、アップダウンもかなり激しい道の両脇に、たくさんの家が建っていました。ブラジルではいわゆる自分の土地でなくても、家を造って何年間か住んだという実績があれば、そこは自分の土地になるのだそうです。そういう家がたくさんありました。そこには電気なんてありませんが、自分で電柱から勝手に電線を引っ張って電気を拝借して生活していました。見るもの聞くものすべてがカルチャーショックです。たくましいと思います。私にとってとても印象的ですごく好きだった光景は、夕方になると、人々が家の前に出てきて座っているのです。家の中にいる家族は、可能な限りほとんど皆出てきていたのではないかと思います。椅子を置いて玄関に座り、通りを眺めておしゃべりをしている。その日一日を振り返り、一日の労苦を分かち合っているのだろうと思います。
私は今日の御言葉を読んで、この光景を思い出しました。そして、聖書が私たちの謂わば「庶民的な幸い」のようなものを肯定し、そこに神の恵みを見ていることを感じ、とても嬉しくなりました。私たちの人生の歩みはつかの間のことであり、私たちにできることは空でしかないかもしれません。しかし、私たちは神に与えられたものとしてこの人生を楽しみ、一日の労苦を妻や夫、親や子どもといった愛する者と分かち合う喜びに生きることが許されています。それは幸いなことです。あるいはそれだけではなく、一緒に働く同僚や隣近所の人と言葉を交わし、一日の労苦をねぎらい合います。それが神が与えてくださった私たちの人生の分なのです。

2024年4月26日の聖句

神を畏れ、その戒めを守れ。これこそ人間のすべてである。(コヘレト12:13) (イエスの言葉)「第一の戒めは、これである。『聞け、イスラエルよ。私たちの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、魂を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』第二の戒めは...