今日の通読箇所:使徒言行録8:1~25、サムエル記下16~17、ヨブ記22
サムエル記下16~17;
ダビデがエルサレムを追われ、今日のところではいろいろな人の思惑が飛び交っています。ツィバというメフィボシェトの僕が来ました。メフィボシェトはヨナタンの息子で、ダビデに保護されていました。しかし主人はダビデが都を追われたのを見て、「イスラエルの家は、今日、父の王国を私に返す(16:3)」と言っていると告げます。しかし、この言葉はやがてダビデがエルサレムに帰ってメフィボシェト自身から聞くことになる話とは食い違っています。ツィバとメフィボシェト、どちらが真実を話しているのかは分かりません。
シムイという人はサウル家の出で、ダビデを恨んでいました。彼は王宮から下るダビデに呪いの言葉を吐きます。供の者たちは殺してやろうかと言いますが、ダビデはそのままにさせるように言います。「主がダビデを呪えとお命じになったから、あの男は呪っているのだ(16:10)」と。ダビデは、今起きていることを、あくまでも神様との関わりの中で受け止め直しています。
さらにダビデの友フシャイはエルサレムに残り、アブシャロムに仕えました。しかし彼は友を裏切ったのではない。15:32以下で、ダビデがフシャイにエルサレムに残ってアブシャロム軍を攪乱し、スパイするように頼んでいたのです。フシャイはそれを実行しました。アブシャロム軍にはアヒトフェルという参謀がいました。彼は元々ダビデの相談役でした(15:12)が、主君を裏切ってアブシャロムに与していました。アヒトフェルはアブシャロムに、すぐにダビデを急襲してとどめを刺すべきだと進言します。ところがフシャイがその案に難色をしまし、イスラエル全軍を集結させてダビデを確実にしとめるべきだと提案しました。結局、フシャイの作戦が採用されました。ところがこれは「主がアブシャロムに災いを下そうとして、アヒトフェルの優れた謀を打ち壊そうと決めておられたからである(17:14)」。自分の案が退けられたアヒトフェルは絶望して自殺し、ダビデはフシャイの情報提供によってうまく逃げおおせることができました。
いろいろな思惑が飛び交い、人間関係の機微がとてもドラマチックに描かれている箇所だと思います。しかし、単に人間の思惑や思わぬ偶然から歴史が動いているのではありません。神様のご意志が歴史を進めています。そして、ダビデは苦しみながらもそれを受け止め、受け入れて進もうとしているのです。