2021年2月20日土曜日

2021年2月20日(詩編59)

詩編59
  彼らは夕べに戻って来て
  犬のようにほえ、町を巡り歩きます。
彼らは餌食を求めてさまよい
食べ飽きるまで眠ろうとしません。
しかし私はあなたの力をたたえ
朝にはあなたの慈しみを喜び歌います。
あなたはわが砦。
苦難の日の逃げ場になってくださいました。(15~17節)

1節の表題によると、この詩編は「サウルがダビデを殺そうと、人を遣わして家を見張らせたとき」の祈りとなっています。サウル王は自分よりも人気があったダビデに嫉妬し、また彼を恐れ、執拗に殺そうと狙っていました。サウルはダビデが奏でる琴が好きだったのですが、あるとき彼は嫉妬に駆られて琴弾くダビデを槍で突き刺そうと狙います。ダビデはその時は難を逃れて家に帰りましたがそれでは済みませんでした。「サウルはダビデの家に使者を遣わし、彼を見張らせ、朝になって殺そうとした。ダビデの妻ミカルはダビデに言った。『今夜中に避難して自分の命を守らなければ、明日には殺されます』」(サムエル記下19:11)。この詩編の表題に書かれているのは、このときのことです。
サウルがダビデを槍で殺そうとしたのも、部下に命令して家を包囲させたのも、夜の出来事でした。詩編でも「彼らは夕べに戻って来て、犬のようにほえ、町を巡り歩きます」と言われているとおり、暗くなっていく夜の闇の中で、自分を狙う敵が自分を取り囲んでいました。本当に不安で、心細くて、辛かったと思います。
しかし、ダビデは言うのです。「私はあなたの力をたたえ、朝にはあなたの慈しみを喜び歌います」と。必ず神が私を救ってくださる朝が来ると信じていました。この詩編の祈りで大切なことは、今はまだ朝になっていないということです。夜大変なことがあったけど朝には一命を取り留めた、だからよかった。そういう話ではありません。まだ夜です。今、まだ敵に囲まれています。その夜の闇の中で信じていました。神が私の砦となって私を支えてくださることを。
困難の時というのは、信仰の時です。その時こそが信じる時です。夜の闇の中で、キリストがもたらしてくださる朝の光を信じ、望みを抱く。それが私たちの信仰です。

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