2021年3月3日水曜日

2021年3月3日(詩編72)

詩編72
王が、叫び声を上げる貧しい人を
助ける者もない苦しむ人を救い出しますように。
弱い人、貧しい人を憐れみ
貧しい人の命を救い
虐げと暴力からその命を贖い
王の目にその人たちの血が
  貴いものでありますように。(12~14節)

この詩編の冒頭では「神よ、あなたの公正を王に、あなたの正義を王の子にお授けください」と言っています。王が果たすべき公正と正義は「民の中の苦しむ人を裁き、貧しい人の子らを救い、虐げる者を砕きますように」と言っているとおりであり、そのような王が繁栄しますように、と願っています。
聖書は、王が自分の権力を自分のために使うことを良しとはしません。貧しい人、助ける者もいない苦しむ人、弱い人、虐げられている人を救い、彼ら・彼女らを助けるために自分の力を使うこと、聖書は王にそのことを要求しています。
私たちはダビデやソロモンと同じような立場にいる王ではありません。総理大臣でもないし、会社の社長でもありません。しかし、もしも私たちが他の人よりも少しでも力を持っている部分があったり、健康や時間が多少なりともあったりするならば、私たちにはその力を与えられた者としての責任があります。それは、自分よりも弱い者を顧み、憐れみ、神に与えられた隣人を愛する責任です。私たちの力は、自分よりも弱い他者のために使うために与えられたものです。
この詩編72は、そのような責任に生ききる理想的な王の姿を描き、その王への神の祝福を求めます。自分に与えられた力のすべてを他者のために献げる「王」(私たちを含みます!)は、もしかしたら一人もいないのかもしれません。私たちは大なり小なり利己的で、自分の力は自分のために使ってしまいます。しかし、ただ一人、完全に自分が持っている者をすべて他者に与え尽くした王がおられます。自分のために生きるのではなく、隣人を愛することだけのために生き、そして死んだ方がおられます。私たちはまことの王にましますイエス・キリストを仰ぎ、このお方に少しでも似たものにして頂くことを求めて、今日の日を歩み出していきます。

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