2019年4月20日土曜日

2019年4月20日(ルカによる福音書23)

今日の通読箇所:ルカによる福音書23、ヨハネによる福音書18:28~19:42、詩編143

ルカによる福音書23;
受難週の土曜日は、一切が沈黙していた日です。土曜日は、ユダヤの社会では安息日です。すべての労働を中断します。埋葬もできません。イエスの墓はアリマタヤのヨセフという人が提供しました。金曜日の日没前に急いで葬られ、安息日を迎えました。この間、弟子たちが何をしていたのかは、聖書に記録されていません。ただ、「女たちは、安息日には戒めに従って休んだ(56b節)」とだけ書かれています。
しかし、考えてみれば世間は過越祭の真っ最中です。ユダヤの社会の中でも、一年の中で一番喜ばしい晴れの日です。都はお祭りムードだったでしょう。狂ったようにイエスを十字架につけた者たちは、きっと溜飲を下げて後は祭りを楽しんでいたのでしょう。過越祭の最中の安息日ですから、特別で重要な日であったのだろうと思います。
しかし、主を信じてきた者たちにとっては、絶望してもしたりない、悪夢のような一日であったに違いありません。世間の晴れ晴れとした雰囲気や空気は、彼らにとっては残酷であり、いよいよその傷は深くなるばかりであったでしょう。私たちには、そのような受難週の土曜日のような日が、ないでしょうか。
一切は沈黙している。主の御声が聞こえない。神の御姿が見えない。しかし、神はそこにおられないのではない。この日、主イエス・キリストは陰府にまで降っておられる。まさに、私たちの悲しみや絶望がどんなに深かろうと、それよりももっと深い深淵にまで下っていてくださるのは、この受難週の土曜日のことなのです。キリストが私たちの弱さに同情することがおできになるのは、この受難週の土曜日を通って行かれたからです。この沈黙は、やがて栄光の日曜日を迎える。主イエス・キリストの聖なる復活の日は、もう始まろうとしています。

2024年5月19日の聖句

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