2018年2月4日日曜日
マルコによる福音書1:29-34「神さま、この手を取ってください」
今日私たちに与えられた御言葉には、匂いがしています。それは、家族に病気になっているときの空気がこもった匂いであり、外から入ってきた新しい空気の匂いであり、お茶の匂いや夕げの匂いです。これは、日常の匂いがする私たち生活の現場の話です。シモンとアンデレは、主イエスと出会い、網を捨ててイエスに従いました。すぐにイエスと一緒に地元のカファルナウムに戻ります。安息日の午前を会堂で過ごし、シモンの家に行きました。これは、私たちが毎週日曜日に経験していることそのものです。私たちもいつも締めているネクタイをおいて、持ち歩いている鞄を家に残して、毎日使う包丁を残し、箒を家においてここにやってきました。家族と共にここに来られる人はごく少数です。しかし、主イエスはそんな私たちと共にもう一度私たちの生活の現場へと進んで行かれます。「シモン、お前の家に行こう。案内してくれ。」主はそうおっしゃったに違いありません。私たちの毎日へ主は来てくださいます。そして、その家に待ち受けていたのは、熱を出して寝込んでいるしゅうとめでした。主が来てくださったというので、人々はさっそく彼女のことをイエスに話します。そうしたら、イエス様が彼女の手を取って起こしてくださった。それで、彼女の熱が下がった。言ってみれば、それだけのことと言えるかも知れません。大病を治して頂いたわけではない。駅前のクリニックでもできることです。しかし、これは、病が治ったということ以上に主イエス・キリストとの出会いの出来事でした。イエスを信じて従い始めたシモン。主が、シモンを主に従う者として日常生活の中に戻してくださって、そこで再開した家族の熱。手を取っていやし、主は彼女とも出会ってくださった。主は私たちの日常生活の中で私たちと出会いたいと願っていてくださるのです。そんな私たちの現場で主がしておられるのは、一体どういうことなのか?今回、聖書を読んで気付いたことがあります。この話の後半には、悪霊にとりつかれた人たちを主がいやしてくださいます。直前の話、21から28節は汚れた霊に取りつかれた人のいやし、更に次の段落の39節でも、「悪霊を追い出された」と言っています。ずいぶんと、イエス様は悪霊と戦っておられるのです。悪霊、それは時代の精神とも言えます。今の時代のテレビなどを覆い尽くす裁きの心などはその典型例であるのかもしれません。薬物報道や不倫報道が最近も相次いでいますが、眺めている者の裁きの心以外の何を満足させているのでしょうか。シモンのしゅうとめは熱をいやして頂きました。私たちも、罪という熱病をいやして頂かないと、どうしようもないのです。彼女はいやされて、一同をもてなしました。この「もてなす」は特別な言葉です。主イエスはやがておっしゃいます。「人の子は仕えられるためではなく、仕えるために来た」と。この時代の精神から言えば、仕えられる人は使える人よりも偉いのです。しかし、彼女はその時代精神から解放されて、喜んで一同に仕えました。熱病から解放されたからです。この仕える人生は、この時だけではなく、ずっと続きます。十字架の下にいた女性たちは「イエスに従ってきて世話をして」きました。仕える自由を喜んでいきました。渡した対の生きている現場、生活の匂いがする場所で、私たちはキリストに仕え、共に生きる者に仕えます。そのために、私を日ごとに熱病からいやしてくださいと祈ります。
2025年1月10日の聖句
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